金子邦彦研究室支援情報工学演習I,情報工学演習II,卒業研究の進め方や卒業論文の書き方(2023年度卒業論文配属)

情報工学演習I,情報工学演習II,卒業研究の進め方や卒業論文の書き方(2023年度卒業論文配属)

2022年卒論生成果物

目次

  1. はじめに
    1. 研究室の理念
    2. 教員自己紹介 金子邦彦
    3. 卒業研究テーマ(卒業論文の研究分野)
  2. 全体スケジュール,案内
    1. 全体スケジュール
    2. 4年次での行事,マイルストーン
    3. 研究室活動での注意事項
    4. 進路,就職活動,大学院について
    5. コロナ感染対策
  3. 卒業論文の書き方
  4. 卒業研究の進め方,卒業研究の理念
    1. 全体の理念
    2. 卒業研究で何を学ぶのか
    3. 専門分野を実践的に学ぶために
    4. 研究力の向上のために
    5. 卒業論文のテーマは,自主的に決定する
    6. 卒業論文のテーマを決めるために,各自で行って欲しいこと
    7. 実験からの考察で行うこと
    8. 基礎力の成長のために
  5. 活動実績,活動予定
    1. 情報工学演習II (9月〜1月)(3 年生)
    2. 卒業研究

1. はじめに

研究室の理念

自主自立.自分で考え,行動することを大切にして下さい

  1. 勉強に楽しい気持ちを持つ自分の成長を信じる仲間によい影響を与える
  2. チャレンジこそが大事.チャレンジは自分の成長に重要である.
  3. 失敗を恐れない.仲間や指導教員の助けを借りながら「なぜうまくいかないのか」を自分で考え,解決に挑戦する.そのことで自信を深め,成長する.
  4. 原理原則,基礎,ものごとの本質をとらえる」ことを常に意識する.
  5. 仮説 ー> 実験 ー> 実験からの考察の手順を大切にする. 記録を大切にする.伝えることも大切にする.グループワーク,仲間や指導教員とともに,助け合い,ともに成長する気持ちを意識する.

研究は,「不可能だったこと,難しかったこと」を「可能にする,簡単にする」ことへのチャレンジ. 卒業研究の1年間で,卒業研究の専門分野研究力基礎力の成長にチャレンジする.

主な活動:卒業論文の提出と卒業研究発表(12月の予定),中間発表(7月の予定), 学会発表(10月,3月予定)にもチャレンジする.

先輩の卒業論文: 別ページに載せている(大学内のPCから有線LAN経由でのみアクセス可能.無線LAN経由のアクセスはできない).

教員自己紹介 金子邦彦

[image] 金子 邦彦(かねこ くにひこ)

研究室ホームページ: https://www.kkaneko.jp/index.html

実績:

科研費多数,研究費のべ1億円以上,論文等数十,教科書3冊,授業担当のべ約20以上,学会や国レベルの委員等の実績,卒論・修論・博士論文実績数十名以上,

卒業研究テーマ(卒業論文の研究分野)

次の研究分野から,学生と指導教員の相談により仮テーマを決める.

その後,各自が,自主的に調査,実験を行う.そして,各自の考察結果により, 卒業研究テーマは深まったり,変化したりするモンド絵ある.

サイト内の関連ページ

2. 全体スケジュール,案内

全体スケジュール

  1. 3年次,9月〜1月

    情報工学演習II: AI応用や3次元やデータベースに関する演習

    AI応用については,授業「AI演習」がありますので,そちらでも学んでいただく.

  2. 3年次,1月〜3月

    週に1回の ZOOM 配信を予定.簡単な宿題が出ることがある.

    人工知能,データサイエンス,3次元コンピュータグラフィックスについて.各自のカメラとマイクはオフ.Zoom の URL は電子メールで伝える.

    不必要な欠席は望ましくないが, 他の用事がある場合にはそちらを優先すること.資料は,このページの「活動実績」のところに載せる予定.

  3. 4年次,4月〜

    週に1回の ZOOM 配信を予定.その他,さまざまな活動がある.

    登校(全員集合)は,週に1,2,3回の予定.

    活動内容は,各自で,研究テーマの考察,実験の計画と実験の実施,実験結果の考察という 卒業研究の実践.

    不必要な欠席は望ましくないが, 他の用事がある場合にはそちらを優先すること.資料は,このページの「活動実績」のところに載せる予定.

    気軽な気持ちでチャレンジする.楽しむ.

  4. 各自,自宅や大学等で,研究を行う.やる気が出たとき,締切が近いときなどは,毎日行うという場合もある.その場合でも,無理の無いように,各自で計画立てて,自主,自立の精神で行う.
  5. その他の活動:対面授業での SA.研究室卒業写真撮影(12月).研究倫理について学ぶ(6月)

4年次での行事,マイルストーン

卒業研究の完成へ向けて,次の手順を踏んでいく.

  1. (3年次)10月−3月:情報工学演習II,AI演習で成長する
  2. 2−3月:仮テーマについての事前説明
  3. 4月:仮テーマ決め,本格的な研究活動開始

    卒業研究テーマは,学生と指導教員で相談して決定する. 卒業論文テーマの仮テーマを決めたら行動開始.各自で,パソコン等を用いて,実験を始める.実験では,実験データの保存,実験手順の記録がとても大切である(そのことは,「卒業研究の進め方,卒業研究の理念」で詳しく説明している.).

    卒業論文のテーマの決め方は,このページの「卒業論文のテーマは,自主的に決定する」と「卒業論文のテーマを決めるために,各自で行って欲しいこと」で説明している.

    卒業論文の進め方は,このページの「専門分野を実践的に学ぶために」と「研究力の向上のために」で説明している.

  4. 6月:研究倫理について学ぶ(講習会)
  5. 7月:中間発表(ポスター)

    ポスター.

    内容:仮テーマ.目標.現在までに自分が行ったこと(実験や調査など).既存の技術での調査と,既存の技術で何が足りないかの考察.実験で自分が用いた技術の説明.実験手順.実験結果.実験からの考察.結論.12月までの具体的な予定.グラフや図も付けること.

    詳細(日時,ルール,ワードやパワーポイントファイルの書式)については, セレッソの「卒業研究2023」のコース(2023年4月開設予定)で案内があるので,待っていて下さい.

  6. 8月:学会発表原稿

    A4 で 1枚.

    内容:中間発表の内容に加え,追加調査,追加実験を行い,そのことについても記載する.

  7. 8ー9月:中間発表結果通知

    中間発表のあとも,研究を自主的に発展充実することに時間を使う.

  8. 10月:学会発表(パワーポイント)

    各自,パワーポイントで,学会発表を行う.発表のルール,マナーも学ぶ.特に時間厳守が大切である.

  9. 12月:卒業論文,卒業論文プレゼンテーション

    卒業論文(ワード)の提出,概要(約200文字)の提出,パワーポイントの作成と,各自プレゼンテーションの実施.

    卒業論文の書き方は,このページの「卒業論文の書き方」で説明している.

    卒業論文の詳細(日時,ルール,ワードやパワーポイントファイルの書式)については, セレッソの「卒業研究」のコース(2023年4月開設予定)で案内があるので,待っていて下さい.

  10. 12月:卒業生アンケート
  11. 12月:実験データ集め

    各自,実験データを保存しておくこと.12月にいったん集める.

  12. 12月:学会発表申し込み
  13. 1月:学会発表原稿
  14. 3月:学会発表

    各自,パワーポイントで,学会発表を行う.

研究室活動での注意事項

  1. 指導教員との連絡:電子メール,Zoom 配信の途中でチャットなども利用
  2. 新型コロナウイルス感染対策

    マスク着用.体調不良のときには投稿しない

  3. 中間発表,学会発表,卒業論文のファイルは,各自,指導教員に事前に提出し確認を受ける.(その際,書き直しなどが行われる場合がある)
  4. 研究室内のパソコン等は,学生の自由利用とする.

進路,就職活動,大学院について

進路については,就職,大学院への進学などがある.

進路の考察

  1. 自分の進路: 福山大学の大学院進学であれば,5-6月ごろに推薦入試等が始まる.就職であれば,さまざまなイベント(就職課のイベント)が始まっているし,各自,エントリーなどを開始する時期である.
  2. 自分の進路の向けた活動についても,今後,機会があれば,仲間との情報交換を心がける
  3. そのうえで,「就職までに,卒業論文で,何を学びたいのか」,「就職の準備として,情報工学の高度な学びが役に立つ」ことを各自,考察してみる

就職

  1. 大学より,就職関係イベントの案内が行われている.ぜひ,積極的に参加,情報収集を続けること.
  2. セレッソの「就職情報2023(情報工学科)」のコースを使って,各自,就職状況の報告を行うこと.(そのための,セレッソでの準備ができたら,セレッソのコースニュースで案内がある.案内を待っていて下さい)

    セレッソの「就職情報2023(情報工学科)」の URL: https://cerezo.fukuyama-u.ac.jp/ct/course_1079468

  3. 卒論指導教員は,履歴書の書き方などの相談をいつでも受け付ける.

福山大学大学院の情報処理工学専攻

福山大学にも大学院がある. 大学院はさまざまな専攻があり,その1つに「情報処理工学専攻」がある.

  1. コンピュータ等に関する進んだ内容の授業がある
  2. 研究も重視している
  3. 入学試験は,4年生の間に,2回受験できる.筆記試験である.

金子邦彦研究室では,大学院においては, 企業さんとも連携した実製作,学会発表などでの体験や他大学学生との交流も 重視しているなど,有意義な活動ができる. 金子邦彦は,他大学での指導歴を含め,修士学生50名以上,博士学生数名の指導経験があり,指導には自信がある. 学生諸君には,楽しく学び成長できる場を与える.

コロナ感染対策

コロナにおいても,みなさんが,安全に,効率よく,最大限学べるように工夫したいと考えている.

感染拡大防止は,極めて重要である.次のように行う.

  1. 全員が,健康状況調査に回答する.
  2. 登校時は,マスク着用を忘れない.
  3. レベル3では,卒業研究のための登校を禁止する.
  4. ZOOM 配信を活用.(資料は,このページの「活動実績」のところに載せる.)

3. 卒業論文の書き方

卒業論文の書き方(まとめ)

楽しんで書いて欲しい.

卒業論文や学会発表に時間をかけることは,基礎力の向上のためにも極めて重要である.

卒業論文は,次のことに気をつけて,余裕を持って進めて下さい.

  1. 次のことを,論理的に書く. 実験手順の説明,結果の説明,データなどの根拠をもとにしての考察の説明がとても大切である.
    1. 目的
    2. 全体の基礎: 基礎知識,国内外の動向などをまとめる.
    3. 実験での仮説,実験で使用した技術,実験手順,実験結果

      実験手順や調査手順の説明はとても大切. 良いやり方を数多く調べ尽くしておく.

      実験のときに,必ず,実験手順の記録を残す.そのとき,実験風景の写真屋,画面のスクリーンショットなども一緒に残す.

    4. 実験からの考察,根拠(実験データ,結果),結論

      根拠をもとに考察し,結論を導く.

      実験からの考察については,このページの「4.7 実験からの考察で行うこと」で説明している.

  2. ネットの記事(WikiPediaなど)や他の人の論文などをコピーして,自分の論文の中に使うようなことはありえない.記事や論文などを紹介,批評したい場合などは,必ず「X を行いたい.私は Y だと考えている.文献 AAA によれば BBB になっている.そして,CCC については,DDD である」のような書き方になる.(ネットの記事や他の人の論文などは紹介にとどまり,自分の考察等が主になる).
  3. 卒業論文のページ数は,最大20ページ程度にまとめる.
  4. 図や写真や表を付ける.
  5. 参考文献については,次のような書き方になる.
    FairFace: Face Attribute Dataset for Balanced Race, Gender, and Age for Bias Measurement and Mitigation,
    Proceedings of the IEEE/CVF Winter Conference on Applications of Computer Vision, pp. 1548-1558, 2021
    ECCV 2020.
    

卒業論文や中間発表の日時,ルール,ワードやパワーポイントファイルの書式については,セレッソの「卒業研究2023」のコース(2023年4月開設予定)で案内があるので,待っていて下さい.

4. 卒業研究の進め方,卒業研究の理念

4.1 全体の理念

自主自立.自分で考え,行動することを大切にして下さい.そして, 仲間との助け合い,仲間を尊敬し,さまざまな価値観を受け入れることも大切にして下さい.

4.2 卒業研究で何を学ぶのか

  1. 専門分野と研究力:人工知能,データサイエンス,3次元コンピュータグラフィックス
  2. 基礎力基礎力は,論理的思考力,批判的思考力,考察力,先行研究などの調査力,緻密な記録を取る習慣,失敗を恐れない態度,柔軟な思考,課題発見力,失敗から課題を発見し解決に導く能力,考察には根拠を付ける習慣(データなどの根拠をもとに考察する能力),レポート作成,プレゼンテーション,研究倫理,自主性,積極性

4.3 専門分野を実践的に学ぶために

今まで自分が知らなかった最新の技術や手法自主的に調べ,自分で,実際に動かし実験することを重視する.

  1. 最新の技術や手法の学びである.
  2. そのとき,本質を大切にする.そのためには,常に,自分が使っている技術や手法の中身,長所を確認・把握する.
  3. 自分で実際に動かすなどの実験を行いながら,実践的に学ぶ
  4. チャレンジ精神を大切にする.最新の技術を使ったからといって,すぐに成功するとは限らない.(失敗は成長につながるものと考える).
  5. 実験からの考察が極めて大切である.他の技術を使えばうまく行くという場合がある.やり方や設定を変えればうまく行くという場合がある.ちょっとしたプログラムを補うとうまく行くという場合がある.「どうすればうまく行くのか」の探求はとても楽しいものである.
  6. そのために,Python の使い方や,パソコン類の操作の基本も,自主的に,積極的に学び,試す.
  7. 何よりも,楽しむ.そのために,自主的な調査,実験がとても大切である

専門分野を学ぶためのヒント,きっかけとして,指導教員は,皆さんに専門分野についての 最新の技術や手法を紹介し,教授し続ける予定である. (Zoom配信,週1回〜3回の予定.対面に変わる場合もある).資料は,このページの「5. 活動実績」のところに載せる. すべてを指導教員に教わるということではなく,自分で調べ,自分で,実際に動かし実験する計画も自分で立てる, 仲間と分かち合える部分は積極的に分かち合うことがとても大切である.

4.4 研究力の向上のために

卒論生各自に気をつけて欲しい大切なこと.

  1. 研究は,仮説,実験,実験からの考察の繰り返しである.
  2. 実験データは各自で保存する.
  3. 必ず,実験手順の記録を残す,そのとき,実験風景の写真や,画面のスクリーンショットなども一緒に残す
  4. 考察には必ず根拠がある.根拠も記録に残し,あとで,いつでも自分で確認できるようにしておく.
  5. 良いやり方を調べ尽くす(指導教員に相談できる).
  6. 自主,自立:取り組みたいことは自分で決める.
  7. 一度,実験が終わったから大丈夫ということはない.何度も実験を繰り返す覚悟を持つ.失敗を恐れない.
  8. 研究では,失敗から学ぶことも大切である.自分の成長を意識する.
  9. うまく行かないとき,やり方を変える,別の技術を調べて試す,目標を変えるということはよくある.問題が必ずすぐに解決できるというわけではない.
  10. 研究倫理はとても大切である.

4.5 卒業論文のテーマは,自主的に決定する

  1. 卒業論文のテーマは,卒論生本人と,指導教員が相談の上,自主的に決定する
  2. 指導教員が得意とする,次の卒業論文の分野でテーマを設定することを基本とする.

    人工知能応用(実世界のデジタル化,実世界のシミュレーション,人流や交通流や集団の挙動の把握,航空写真やドライブレコーダーからの実世界把握,人物や車両のデジタル化), センサー応用(3次元形状,テクスチャ,運動,挙動等のリアルタイム把握), データベース応用, 地図データベースに関する分野

    「私が研究したいと思っている分野はちょっと違っているか?」と思ったとしても,実際には,卒業論文の分野に当てはまっている場合が多いので安心して欲しい(本当に違っている場合は,本人と相談の上,指導教員が勉強する,本人のテーマを調整するなどで対処する)

  3. 複数名が類似のテーマを行うことがありえる.そのとき,使用している技術や手法が同じだったとしても,当然,実験手順,結果,実験からの考察は異なる.そして,各自で,考察をもとに,さらなる発展を行うものである.

4.6 卒業論文のテーマを決めるために,各自で行って欲しいこと

テーマを,自分自身で探求することはとても楽しいことである.

まず,「何を行いたいか」を考え抜いてほしい. 指導教員自身が,自分で行いたいと思っている活動を,参考のために載せておく.これらの中から選んでもよいし,自分で新しく考えてもよい.

  1. 3次元の実世界(屋外,屋内)をコンピュータに再現し,コンピュータの中でシミュレーションできる技術
  2. 大量のデータ(広大な屋外,緻密な屋内)を扱える技術
  3. 車両,人物を観測し,集計し,集団行動や様態を分析できる技術.

研究テーマは,各自が,実験や調査での体験をもとに,自主的に見出すことにチャレンジする.指導教員は最大限支援する. 次をアドバイスとする.

  1. 「面白そうなこと」,「やってみたいこと」を仮に決める
  2. まず,実験し,実験から考察し,結論を出してみる.そのとき失敗は構わない.考察には根拠があるはずである.根拠は記録しておき,あとでいつでも確認できるようにしておく.
  3. 「えっ.実験」と思ったかもしれない.3年生の時点から,情報工学応用演習II情報工学応用演習IIIにより,「最新の技術や手法で何ができるのか,そして,動かし方はどうなのか」という学びと,各自の演習や考察や追加調査により,実験の準備は開始している.
  4. 自分で,実験の目的,計画や手順も考えてみるというチャレンジは楽しいものである.そのとき,実験の目的,計画や手順を,他の人にすべて教えてもらうということはありえない.自主・自立の精神を持ち,主体的に行動し「仲間や指導教員に大いに助けてもらう,アドバイスをもらう,元気をもらう」という気持ちを持つ.
  5. 実験のとき,どういう技術を使うかについて.自主的に調査し理解することも大切であるし,仲間に助けてもらうか,指導教員に教わることも大切である. 常に,自分が使っている技術や手法の中身,長所を確認・把握する
  6. 実験では,「何を実験したかを忘れしまう.記録が無い」ことによる失敗はもったいない. 必ず,実験手順の記録を残す,そのとき,実験風景の写真や,画面のスクリーンショットなども一緒に残す. 記録は,実験の改善,研究の効率向上,正しい研究の実施に極めて重要である.
  7. 実験からの考察により,「できなかったこと」,「難しいこと」,「とても面倒だったこと」,「遅すぎて役に立たなかったこと」,「それでも挑戦してみたいこと」などをリストアップ,その中から研究テーマを発見.

テーマが決まった後も,テーマを変更,充実することはよくある. そして,テーマは難しすぎないこと(自分で解決できるもの),解決に完璧を追い求めないことにも気をつけて欲しい.

4.7 実験からの考察で行うこと

卒業研究では,実験からの考察が極めて大切である.実験からの考察には次のようなものがある.

  1. 成功したか失敗したか
  2. 調査や実験手順に不備はなかったか,間違いはなかったか
  3. 実験データの誤差
  4. データが少なすぎないか
  5. もう一度実験や調査をやり直すとしたら
  6. データのとり方や実験方法に偏りがないか
  7. 実験してみて分かったこと,予期せぬ発見や気づきなど
  8. 「できなかったこと」は何だったか(予想外のことがあれば発見である)
  9. 「難しいこと」は何だったか(予想外のことがあれば発見である)
  10. 「遅すぎて役に立たなかったこと」は何だったか(予想外のことがあれば発見である)
  11. 自分で解決できそうな課題はあるか.(解決では,他の技術を使えばうまく行くという場合がある.やり方や設定を変えればうまく行くという場合がある.ちょっとしたプログラムを補うとうまく行くという場合がある)

考察には根拠があるはずである.根拠は記録しておき,あとでいつでも確認できるようにしておくという 習慣がとても大切である. そのために,実験のデータはとても大切なので,保存しておく. そして,実験手順も必ず記録しておく. (卒業論文では,実験手順の説明,データなどの根拠をもとにしての結論の説明がとても大切である). このことで,考察という「知」を他の人と分かち合うことになる.

4.8 基礎力の成長のために

基礎力は,論理的思考力,批判的思考力,考察力,先行研究などの調査力,緻密な記録を取る習慣,失敗を恐れない態度,柔軟な思考,課題発見力,失敗から課題を発見し解決に導く能力,考察には根拠を付ける習慣(データなどの根拠をもとに考察する能力),レポート作成,プレゼンテーション,研究倫理,自主性,積極性

基礎力の向上のため,次をアドバイスとする.

  1. 広く深い専門分野の知識を持つ.
  2. 実験,考察,結論を自力で行い,そこから課題を発見することにチャレンジすることは,基礎力の向上につながる.
  3. 実験を数多く行い,考察を深めることにチャレンジする.
  4. モチベーションと集中力は自己管理する.まず行動を開始してみると,やる気が出てくるということもある.
  5. 仲間との助け合い,仲間を尊敬し,さまざまな価値観を受け入れることも大切にする.
  6. 仲間と体験をシェアする.
  7. 仲間や指導教員との質問,教えあい,シェアを積極的に行う.
  8. 論理的思考力,考察には根拠を付ける習慣(データなどの根拠をもとに考察する能力)を重視する.

5. 活動実績,活動予定

情報工学演習II (9月〜1月)(3 年生)

毎週火曜日,4時限

情報工学演習 II についてのビデオメッセージ: https://www.youtube.com/watch?v=h8hfbxvOT8I

  1. 10/18, 画像分類

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com/drive/1O9V9UwlWS-kJTQau42kIIcxyOpJQr5-G?usp=sharing

    このページの1章を読み上げて説明

  2. 人工知能による画像の生成,フェイク,GAN (generative adversarial network),GAN の学習,DCGAN (deep convolutional GAN)

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com/drive/1hymsnPNkc0Ra3HfklhNEcSDWGbafQEx7?usp=sharing

    このページの4章の前半部分を読み上げて説明

  3. オートエンコーダ (auto encoder)

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com/drive/1HQ8pmFVJFq5uhBEfkBhRvsXaDUXssoo9?usp=sharing

    このページの4章全体を読み上げて説明

  4. 顔情報処理,顔検出,顔検証,顔識別,顔認識,顔ランドマーク,顔の 68 ランドマーク,顔のアラインメント,顔のコード化,Dlib,Dlib を用いた顔情報処理,face_recognition

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com/drive/1S55yEFiQpdIRdjWbdH0zzEYD5VAfklHd?usp=sharing

  5. データマネジメント,CSV ファイル,表形式のデータと CSV ファイル,Pandas とデータフレーム,外れ値,学習データと検証データ

    https://colab.research.google.com/drive/1oUtNxZsm81Bwm2dxblRF2a51bhkElFNz?usp=sharing

  6. データサイエンス,ニューラルネットワークの入力,データの種類,正規化,Z スコア,one hot コーディング

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com/drive/1mnRH7AKLhUryqK2ar7XgAffW-dHj7R-N?usp=sharing

  7. プログラミングの基本事項(式,変数,データ型,条件分岐,リスト,繰り返し,関数),Python のプログラムの書き方(コロン,字下げのことを含む)

    6つの資料(pf-1 から pf-6),Python の基礎: https://www.kkaneko.jp/pro/pf/index.html

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com

  8. 畳み込み,カーネル,CNN (畳み込みニューラルネットワーク)

    「畳み込み」について説明動画: https://www.youtube.com/watch?v=AKQKrBrhxk8

    CNN Explainer (ジョージア工科大学 Polo Club による), 畳み込み層などの仕組みをビジュアルに学ぶことができるサイト: https://poloclub.github.io/cnn-explainer/

    PDFファイル: https://www.kkaneko.jp/ai/ni/3.pdf

    パワーポイントファイル(PDF ファイルと同じ内容): https://www.kkaneko.jp/ai/ni/3.pptx

  9. 種々のセグメンテーション

    参考資料 [PDF], [パワーポイント]

    種々のデータセット: 参考資料 [PDF], [パワーポイント]

  10. 複数写真からの3次元再構成

    説明資料 [PDF], [パワーポイント]

  11. 時系列データ,時系列データとニューラルネットワーク,フィードフォワード,リカレントニューラルネットワーク,LSTM 層 (Long Short Term Memory layer)

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com/drive/1qxh5l0iEPUm-QRTuEBSqBLd3V9KvqItK?usp=sharing

  12. 自然言語処理,ベクトル,ベクトルの長さ,ベクトルの距離,単語の特徴ベクトル,単語の類似度,類似検索,Word2vec

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com/drive/1E86OSq90AyI1z-ULE6hNoVmpCJ_7fCR8?usp=sharing

  13. 姿勢推定

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com/drive/1T2ApSH2l8n448mmebwXgH8334sgrV6KK?usp=sharing#scrollTo=ZOQWNywHdAPU

ニューラルネットワークと顔情報処理の入門(各自での確認,復習のため)

  1. ニューラルネットワーク

    資料: [PDF], [パワーポイント]

    動画: https://www.youtube.com/embed/-ThGdZsvHGY

  2. ニューラルネットワークによる画像分類,学習曲線,学習不足,過学習

    資料: [PDF], [パワーポイント]

    動画: https://www.youtube.com/embed/nvAmSAjUEcM

  3. 顔識別,顔認証

    資料: [PDF], [パワーポイント]

    Google Colaboratory のページ: https://colab.research.google.com/drive/13fXJ4f2dF-53YI_6i_rAJl17cuYuLE91#scrollTo=PAJ9H2QqRadE

卒業研究

2023年2月から3月

2月末頃: ZOOM 配信開始予定

卒業研究テーマ(案)
  1. 斜め画像の画像理解,AI利用

    (まとめ)ドライブレコーダーなど,斜めに写っている画像は,セグメンテーションや3次元再構成の精度が劣る.工夫により精度改善を行う.

  2. 揺れるビデオ,古いビデオの画像理解,AI利用

    (まとめ)手振れや,振動のあるビデオ(手持ちカメラ,揺れの大きいドローン)は,そのままではAIでは扱いにくい.ITの力で揺れを取り除く.古くて劣化したビデオを活用したい場合もあるかもしれない.古くて劣化したビデオを,AIで,鮮明,高精細にすることも行う.その結果,3次元再構成したり,ビデオ内のオブジェクトの動きをとらえたりなどのAI処理が,より精度よくできるようにする.その結果の活用も行ってみる.

  3. 河川や野山の植生変化観測,AI利用

    (まとめ)航空写真で,河川や野山の季節による植生の変化をとらえる.年に数回ほど,各所を撮影していただく.風景写真ではなく,川を見下ろす,土地を見下ろすような写真が望ましい.パノラマ撮影等を歓迎.植生の変化は,variational encoder,色の正規化,マッチングを行い,単に「変化している場所」を抜き出すだけでなく,従来難しかった「変化している量を数値で出す」ことにチャレンジしていただく.地道な撮影作業を含む.

  4. ネットワークカメラシステム,顔情報処理,AI活用

    (まとめ)スマートフォンや小型カメラ数台をネット化.データを一台のパソコンに集め,そこで,「顔の数を数える」,「顔認証を行う」といった AI 顔情報処理を動かす.AI, VidGear を使用.ITシステム作りとサービスデザインを行っていただく.

  5. チャットボット,自動翻訳,音声合成システム,音声認識システムの活用

    (まとめ)パソコンやスマホに話しかけると,「自動文字起こし」,「英語や日本語への翻訳」,「AIとの対話」を動かす.ChatGPT, OPT, whisper, DeepL API を使用.ITシステム作りとサービスデザインを行っていただく.調べごと,メモ代わり,グループ間のコミュニケーションのサポートでの AI活用,データベース活用.

    専門知識:大規模言語モデル,コンテキスト

  6. 未来予測(渋滞予測など),AI活用

    ディープラーニングで未来予測ができるシステムを研究開発する. Transformer の Encoder, Decoder を利用する.単純な未来予測と, 複数のデータを使った未来予測を行っていただく.(予測の対象として,ギャンブル,株価,為替の予測はさけていただく).交通渋滞のような,我々の社会の中での出来事の予測を行っていただく.

  7. 3次元姿勢のデータベース,AI活用

    (まとめ)リアルなポーズを10種類以上.ご自身で演じていただき,そのポーズを,写真で撮影していただく(写真は,ネットでの公開前提).うまく3次元化するのは,どのように撮影したらよいだろうか.今後の普及を考えて,なるべく安価なありふれた機器で済ませていただきたい.3次元ソフトウエア Meshroom,Blender 等を利用.3次元のアニメーションで再現するまで.地道な撮影作業,調整を含む.AIの姿勢推定技術を活用.

  8. 3次元の福山市の再現

    (まとめ)地道な現地調査になる.福山の観光名所数か所か所を,交通費自己負担で巡っていただき,3次元化することからスタート.福山市の3次元のデータ(建物,地形)は既存のものがあるので,そのまま利用するのだが,建物に色が付いていないなど,実際のビジネスに使うには物足りない.建物の色や,背景などをリアルに再現いただきたい.そのため,写真を,立体に張り付ける作業になるが,作業が完全自動化(人間は楽)できるように目指していただく.サービスデザイン,ビジネス応用を念頭においていただく

    【サイト内の関連ページ】 TerreSculptor 2.0 のインストールと動作確認(地形生成), Blender のインストール


ZOOM 配信 (2023年2月開始,週1回予定)
2023年4月, 5月

ZOOM配信は休止します

対面,個人ワークやグループワーク

スキル: 仮設・実験・考察,ロジカルシンキング,コミュニケーション:口頭,課題発見,自己計画,メモの習慣

各自が気をつけること:実際に改良,工夫を行い,問題を解決し,そのことが説明できる(解けない問題には取り組まない.失敗したからといって諦めてはいけない)

実験と実験レポート

方針