MakeHumanとBlenderで人体アニメーション(MakeHuman 1.1とBlenderを使用)

【概要】MakeHuman(人体モデル作成専用の3Dソフトウェア)とBlender(3Dモデリング、アニメーション、レンダリングなどが可能な総合的な3DCGソフトウェア)を用いて人体アニメーションを作成する手順を解説する。CMUモーションキャプチャデータベースのBVH形式モーションデータを使用し、MakeHumanで作成した人体モデルにBlenderでアニメーションを適用する方法を説明する。

【目次】

  1. cmu-motionデータセット(モーションデータ)のダウンロード
  2. 前準備
  3. Blenderで人体アニメーション
  4. レンダリング

【サイト内の関連ページ】

cmu-motionデータセット(モーションデータ)のダウンロード

次のWebページでは、モーションデータ(キャラクターの動きを数値データとして記録したもの)が公開されている。このページで配布されているモーションデータを使用する。利用条件などは利用者で確認すること。

https://sites.google.com/a/cgspeed.com/cgspeed/motion-capture/the-daz-friendly-bvh-release-of-cmus-motion-capture-database

謝辞:The Daz-friendly BVH release of CMU's motion capture database - cgspeed

  1. https://sites.google.com/a/cgspeed.com/cgspeed/motion-capture/the-daz-friendly-bvh-release-of-cmus-motion-capture-databaseを開く
    CGSpeedのモーションキャプチャデータベースページ
  2. 「PRIMARY RELEASE: Daz-friendly hip-corrected BVH files releases」からディレクトリを選ぶ
    BVHファイルリリースのディレクトリ選択画面
  3. 「DOWNLOAD」をクリック
    ダウンロードボタン

    このとき、マイクロソフトセキュリティアラートが表示される場合があるが、偽広告なので無視する(金子見解)。

  4. ファイルのダウンロードが始まる
    ファイルダウンロード中の画面
  5. 展開(解凍)すると、次のようなファイルが得られる

    Windowsでの展開(解凍)に便利な7-Zip:別ページ »で説明

    展開後のファイル一覧
  6. 「01」などのディレクトリの中には.bvh形式のモーションデータ(BioVision Hierarchy形式:モーションキャプチャデータを保存する標準的なファイル形式)が入っている
    BVHファイルが格納されたディレクトリ

前準備

Blenderのインストール

【Blenderのインストール】

メニューの日本語化を行っておいた方が使いやすい。

MakeHuman 1.1のインストール、Blenderでの設定

Blenderで人体アニメーション

BlenderのMakeWalkプラグインの準備

  1. Arnuvir MakeHuman ExchangeのGitHubのページを開く

    https://github.com/makehumancommunity/mhx2-makehuman-exchange

  2. 「Code」をクリック、「Download ZIP」をクリック
  3. Blenderを起動する
  4. Blenderで、「編集」→「プリファレンス」と操作する
    Blenderの編集メニューからプリファレンスを選択
  5. 「アドオン」を選ぶ
    プリファレンスのアドオンタブ
  6. 「インストール」をクリック
    アドオンのインストールボタン
  7. 先ほどダウンロードしたファイルを選ぶ
    ダウンロードしたZIPファイルの選択
  8. 「ファイルからアドオンをインストール」をクリック
    アドオンインストールの確認ボタン
  9. アドオンを検索したい。検索窓に「walk」と入れる
    アドオン検索窓にwalkと入力
  10. 「MakeHuman: MakeWalk」をチェックする
    MakeWalkアドオンを有効化
  11. Blenderのプリファレンスの画面を閉じる
    プリファレンス画面を閉じる

MakeHumanで、アニメーション化したい人体データの準備

  1. makehuman.exeを起動する
  2. MakeHumanで、人体に骨格(リギング:Blenderでは「アーマチュア」(3Dモデルをアニメーション化するための骨格システム)ともいう)を付ける。「Pose/Animate」を選び、種類を選ぶ。

    既定(デフォルト)では「None」になっている。「種類」として「Default」を選ぶ。これで骨格が付く。

    MakeHumanでDefaultリギングを選択
  3. mhx2形式(MakeHuman Exchange形式:MakeHumanとBlenderの間でデータを交換するための特殊な形式)でエクスポートしたいので、「Files」を選び、「Export」を選び、「MakeHuman Exchange (mhx2)」を選ぶ
    mhx2形式でのエクスポート選択
  4. ファイル名と、ディレクトリ名を設定したいので「...」をクリック
    ファイル保存先の設定ボタン
  5. ファイル名と、ディレクトリ名を設定

    ディレクトリは、分かりやすいディレクトリを選ぶこと。

    ファイル名とディレクトリの設定
  6. 「Export」をクリックして、エクスポートする
  7. ファイルができるので確認する
    エクスポートされたmhx2ファイル

Blenderで人体アニメーションを作成

  1. Blenderを起動する
  2. 中央の立方体は不要なので、立方体を左クリックで選んでから、DELキーを押して削除

    Blender 2.79あるいはそれ以前では、右クリックで選ぶ。

    初期立方体の削除
  3. Blenderでmhx2形式のデータのインポート

    「ファイル」→「インポート」→「MakeHuman (.mhx2)」と操作する

    mhx2形式のインポートメニュー

    「MakeHuman (.mhx2)」が無い場合は、このページの「BlenderのMakeWalkプラグインの準備」のところを確認の上、インストールをやり直すなど行う。

  4. .mhx2形式データファイルを選ぶ
    mhx2ファイルの選択
  5. 読み込まれるので確認する
    インポートされた人体モデル
  6. 「シェルフ」(サイドバー:Blenderの右側に表示される追加設定パネル)を使う

    シェルフが表示されていないときは、「n」キーで、「シェルフ」を表示させる(「n」キーで、表示と非表示が切り替わる)。

    Blenderのシェルフ表示
  7. Blenderのシェルフで、「MakeWalk」タブの中の「Load and Retarget」をクリック
    MakeWalkタブのLoad and Retargetボタン
  8. 先ほど準備したモーションデータの中から、.bvhデータファイルを1つ選び、「Load and Retarget」をクリック
    BVHファイルの選択とリターゲット
  9. 人体のボーンがオレンジ色になる
    リターゲット後のボーン表示

bvhデータファイルのビューワは、別のWebページで紹介している。

レンダリング

次の手順でアニメーションをレンダリング(3Dシーンから連続した2D画像を生成する処理)してみる。「アニメーションのレンダリング」とは、一連の複数のフレームを一括レンダリングすることである。

  1. 次の手順で、カメラの位置を調整
    1. カメラを「カメラ視野」に固定

      まず、Nキーでシェルフを出し、「ビュー」タブを選択し、「カメラをビューにロック」(Blender 4では「カメラをロック」と表示される場合がある)にチェックを入れる(シェルフを閉じるときもNキー)。

      カメラをビューにロックの設定
    2. 視点をカメラに変える

      視点 (View) → カメラ (Camera) と操作する。画面右上のナビゲーションコントロール(視点操作ツール)からも切り替えができる。テンキーの「0」でも切り替え可能である。

      カメラビューへの切り替え

      先ほど、「カメラをビューにロック (Lock Camera to View)」(Blender 4では「カメラをロック」)したので、「カメラ視野(カメラビュー)」(レンダリング時に使用される視点)を動かすと、同時にカメラも動くようになる。

      • カメラ視野の自由な移動:SHIFTキーとマウスの中ボタンを押しながらマウス移動
      • カメラ視野の自由な回転(原点を基準):マウスの中ボタンを押しながらマウス移動
      • マウスのホイールでも視点を調整
      カメラ視野の調整
    3. F12キーでレンダリングして、確認してみる

      これはカメラ視野でのレンダリングである。

      レンダリング結果の確認
  2. アニメーションの終了の設定

    既定(デフォルト)は250になっているのを適切に調整する(60くらいの値にする)。

    アニメーション終了フレームの設定
  3. アニメーションのレンダリング

    CTRLキー + F12キー(同時押し)

    レンダリングが始まるので、確認する。終了を待つ。

    アニメーションレンダリング中
  4. レンダリングが終了したら、確認のため再生してみる

    CTRLキー + F11キー(同時押し)

    別ウインドウが開いて、再生が始まる。

    レンダリング済みアニメーションの再生
  5. 必要に応じて、カメラを見やすい位置に再度、調整する
    カメラ位置の再調整