トランスコーダー VCT (Video Converter and Transcoder) のインストール(Ubuntu 上)

トランスコーダーVCTのUbuntuへのインストール手順。ただし、2016年以降更新がなく、最近の Ubuntu ではMono環境構築が困難で使用できない可能性が高い。代替ツールとしてHandBrakeやShotcutが推奨される。

H.264,H.265 HEVC MKV/MP4 形式への変換,トランスコードの機能を持つ。

URL: https://sourceforge.net/projects/videoconvertertranscoder/

前準備

Ubuntu のシステム更新

Ubuntu で OS のシステム更新を行うときは,次のコマンドを実行する。

Ubuntu のインストールは別ページ »で説明

# パッケージリストの情報を更新
sudo apt update
# インストール済みのパッケージを包括的に更新 (依存関係も考慮)
sudo apt full-upgrade
# 変更をシステム全体に確実に反映させるために再起動
sudo shutdown -r now

前提ソフトウェアのインストール

INSTALL_README.txt の記載に従う必要がある。

VCTの実行には、.NETアプリケーションをLinuxで動作させるためのmonoと、動画のエンコード・デコードを行うためのffmpegが必要となる。

次のコマンドを実行する。しかし、Ubuntu 24.04 LTSでのMono環境構築は標準リポジトリでは困難であり、追加の手順が必要となる場合がある。この点が古いVCTの動作を妨げる可能性が高い。

# パッケージリストの情報を更新
sudo apt update
sudo apt -y install mono-complete ffmpeg

VCT のインストール(zipファイルから)(Ubuntu 上)

VCTは2016年以降更新されておらず、Ubuntu 24.04 LTSのような新しい環境での動作は期待できない可能性が高い。

  1. VCT のページを開き,バージョンや利用条件などを確認する。

    URL: https://sourceforge.net/projects/videoconvertertranscoder/

  2. 次のコマンドを実行する。

    ダウンロードしたファイルに含まれるff* (通常はffmpegffprobeを指す) とVCT.exeを実行可能にし、システム全体から実行できるように/usr/local/bin/へ配置する。chmod 777はセキュリティリスクがあるため非推奨であり、実行に必要な権限のみ付与する。

    cd /tmp
    wget https://sourceforge.net/projects/videoconvertertranscoder/files/VCT_Linux_mono_binary.zip
    unzip VCT_Linux_mono_binary.zip
    cd VCT_mono
    chmod +x VCT.exe ffmpeg ffprobe
    sudo cp VCT.exe ffmpeg ffprobe /usr/local/bin/
    
  3. 実行してみる。
    mono /usr/local/bin/VCT.exe
    

代替ツールの検討

VCTは最終更新が古く、現代のUbuntu 24.04 LTS環境での利用は推奨されない。動画変換やトランスコードには、HandBrakeやShotcutといった、より活発にメンテナンスされている代替ツールの利用を強く推奨する。これらのツールは最新のコーデックに対応し、使いやすいGUIを提供しており、Ubuntu 24.04 LTSでも公式にサポートされているか、PPA等を通じて容易に導入可能である。