Wine 最新安定版のインストール(Ubuntu 上)

VMware Workstation Pro/Playerは現在、個人利用無料である。Ubuntu 24.04 LTSへは公式サイトの.bundleファイルで導入する。事前にbuild-essentialとlinux-headersパッケージのインストールを行う。カーネルモジュール(vmmon, vmnet)問題は起こり得る。その場合は、パッチ適用等で対処する。代替にはKVMやVirtualBoxがある。

重要なお知らせ: 2024年5月より、VMware Workstation Pro および Player は個人利用に限り無料となった

Ubuntu 環境での仮想化には、オープンソースの KVM/QEMUや Oracle VM VirtualBoxといった優れた代替ソフトウェアも存在するため、用途に応じて検討されたい。

1. VMware Workstation Pro / Player のダウンロード

最新版のインストーラー (.bundle ファイル) を VMware (Broadcom) の公式サイトからダウンロードする必要がある。

  1. VMware Workstation ダウンロードページへアクセスする

    VMware の公式 Web サイトにある VMware Workstation Pro または Player のダウンロードページ(評価版含む)にアクセスする。

  2. Linux 版インストーラーを選択する

    ダウンロードページにて、「VMware Workstation for Linux」または「VMware Player for Linux」の最新版 (64ビット) を選択し、「ダウンロード」をクリックする。ファイル名はバージョンによって異なる (例: `VMware-Workstation-Full-17.x.y-zzzzzzz.x86_64.bundle`)。

    Linux版ダウンロード選択 (過去バージョンのイメージ)

2. インストールと初期設定

  1. 前提条件: 必要なパッケージのインストール

    VMware Workstation のインストール、特にカーネルモジュールのビルドには、ビルドツールとカーネルヘッダが必要となる。これらを事前にインストールしておくことが推奨される。

    sudo apt update
    sudo apt install build-essential linux-headers-$(uname -r)
    

    上記コマンドは、ビルドに必要な基本的なツールと、現在実行中のカーネルに対応するヘッダファイルをインストールするものである。

  2. ダウンロードしたファイルの実行

    ダウンロードした .bundle ファイルに実行権限を付与し、root権限で実行する。ファイル名はダウンロードしたものに合わせる。

    chmod +x VMware-Workstation-Full-<バージョン情報>.x86_64.bundle
    sudo bash ./VMware-Workstation-Full-<バージョン情報>.x86_64.bundle
    

    または Player の場合:

    chmod +x VMware-Player-<バージョン情報>.x86_64.bundle
    sudo bash ./VMware-Player-<バージョン情報>.x86_64.bundle
    

    これによりグラフィカルなインストーラが起動する。画面の指示に従ってインストールを進める。

    インストーラ実行画面 (過去バージョンのイメージ)
  3. インストール完了後、VMware Workstation または Player を起動し、初回起動時設定に進む。

    メニューから起動するか、以下のコマンドで起動する。

    # Workstation Pro の場合
    vmware
    # Workstation Player の場合
    vmplayer
    
    Player 起動確認 (過去バージョンのイメージ)
  4. ライセンス条項の確認

    ライセンス条項が表示されるため、内容を確認し、同意できる場合は次に進む。

    ライセンス条項確認画面 (過去バージョンのイメージ)
  5. 起動時の更新確認設定

    起動時に製品の更新を確認するかどうかを設定する。

    更新確認設定画面 (過去バージョンのイメージ)
  6. カスタマーエクスペリエンス向上プログラム (CEIP) 参加設定

    CEIP に参加するかどうかを設定する。設定後、「Next」をクリックする。

    CEIP参加設定画面 (過去バージョンのイメージ)
  7. ライセンスキーの設定

    個人利用の場合は、ライセンスキーを入力せずに続行できる(無料化されたため)。 商用利用の場合は、購入したライセンスキーを入力する。「Finish」をクリックして設定を完了する。

    ライセンスキー設定画面 (過去バージョンのイメージ)
  8. 設定終了の確認

    初期設定が完了したことを確認し、「OK」をクリックする(表示される場合)。

    設定完了確認画面 (過去バージョンのイメージ)
  9. カーネルモジュールのコンパイル (必要な場合)

    注意: VMware Workstation の初回起動時や、OS のカーネルがアップデートされた後などに、以下のようなウィンドウが表示されることがある。これは、VMware が動作するために必須のカーネルモジュール (`vmmon`, `vmnet`) を現在のカーネル用にコンパイル・ロードする必要があることを示している。「Install」をクリックするとコンパイルが試行される。

    カーネルモジュール要求画面 (過去バージョンのイメージ)

    通常は前提パッケージが正しく導入されていれば成功するが、カーネルバージョンと VMware のバージョンによっては互換性の問題が発生し、コンパイルに失敗することがある。Ubuntu 24.04 LTS と最新版 VMware Workstation 17.x でも発生報告がある。

    失敗した場合、VMware は正常に機能しない。対処法としては、VMware を一度アンインストールして再インストールする、あるいはコミュニティで提供されている互換性パッチ (例: mkubecek/vmware-host-modules GitHub リポジトリなど) を探して適用する、といった方法が考えられる。問題が発生した場合は、エラーメッセージやログファイル (`/tmp/vmware-/setup-.log` など) を確認することが重要である。

    コンパイル進行画面 (過去バージョンのイメージ)
  10. 起動完了

    カーネルモジュールのコンパイルとロード(または既にロード済みの場合)が成功すれば、VMware Workstation または Player のメインウィンドウが起動する。

    Player 起動完了画面 (過去バージョンのイメージ)

    ゲスト OS のパフォーマンス向上のため、ゲスト OS 内に Open VM Tools (`sudo apt install open-vm-tools` など) をインストールすることが推奨される。

3. おわりに

Ubuntu での仮想化には、KVM/QEMU や VirtualBox といった強力なオープンソースの選択肢も存在するため、自身の要件に最適なツールを選択することが推奨される。