Ubuntu システムの更新ガイド
【概要】本記事では、Ubuntu システムにおいて APT (Advanced Package Tool) を用いてパッケージを最新の状態に保つための基本手順を解説する。sudo apt update でパッケージリストを更新し、sudo apt full-upgrade でパッケージを更新する。その後、sudo apt autoremove で不要なパッケージを削除し、sudo apt autoclean でキャッシュを整理する。最後に sudo shutdown -r now でシステムを再起動し、更新を反映させる。
【目次】
【サイト内のUbuntuセットアップ関連ページ】
- Ubuntu 24.04のインストールガイド: 別ページ »で説明
- Ubuntu初期設定ガイド: インストール直後の主要設定項目: 別ページ »で説明
- UbuntuUbuntu システムの基本操作ガイド: 別ページ »で説明
- Ubuntuの使い方: 別ページ »で説明
- Ubuntu 24.04 開発・研究環境構築ガイド: 別ページ »で説明
- Ubuntuシステムの更新ガイド: 別ページ »で説明
- Ubuntuシステムの管理と運用,各種設定: 別ページ »で説明
- Ubuntuサーバ管理・セキュリティガイド: 別ページ »で説明
【外部リソース】
- Ubuntuの公式ページ(日本語版): https://jp.ubuntu.com/
- Ubuntu 24.04 の公式リリースページ:https://releases.ubuntu.com/noble/
- Ubuntuのダウンロード公式ページ(日本語版): https://jp.ubuntu.com/download
- 公式のUbuntuミラーサイトのページ: https://launchpad.net/ubuntu/+cdmirrors
- fosswire.comのUnix/Linuxコマンドリファレンス: https://files.fosswire.com/2007/08/fwunixref.pdf
- DistroWatchのUbuntuのページ: https://distrowatch.com/table.php?distribution=ubuntu
はじめに
Ubuntu システムを安全かつ安定して利用するためには、定期的にパッケージを最新の状態に保つことが必要である。APT (Advanced Package Tool) は、ソフトウェアのインストール、更新、削除を行うためのコマンドラインツールである。本記事では、APT を用いた基本的なシステム更新手順を解説する。
コマンドは管理者権限 (sudo) で実行する必要がある。更新作業はシステムに影響を与えるため、重要なデータのバックアップを取っておくことを推奨する。
基本的なパッケージ更新手順
パッケージリストの更新
システムが利用可能なパッケージとそのバージョンの情報をリポジトリから取得し、ローカルのリストを最新の状態に更新する。
sudo apt update
- 目的: リポジトリから最新のパッケージ情報を取得し、ローカルのパッケージリストを更新する
- 動作:
/etc/apt/sources.listなどに記載されたリポジトリにアクセスし、利用可能なパッケージのインデックス情報をダウンロードする。このコマンド自体はパッケージのインストールやアップグレードを行わない
インストール済みパッケージのアップグレード
update で更新されたリストに基づき、現在システムにインストールされているパッケージを新しいバージョンにアップグレードする。
sudo apt full-upgrade
- 目的: システム全体の整合性を維持しながら、インストール済みのパッケージを最新バージョンに更新する
- 動作: 依存関係を解決するために、新しいパッケージのインストールや既存パッケージの削除を伴う場合がある
実行前に変更内容の確認を求められる場合がある。内容を確認し、問題なければ承認する。
更新後のクリーンアップ
不要になったパッケージの削除
依存関係として自動的にインストールされたものの、現在はどのパッケージからも必要とされなくなったパッケージを削除する。
sudo apt autoremove
- 目的: 不要になった依存パッケージを自動的に削除し、ディスクスペースを節約する
- 動作: 他のパッケージによって依存関係としてインストールされたものの、その依存元がなくなったパッケージを検出して削除する
古いパッケージキャッシュの削除
パッケージのダウンロード時に保存されたファイル (.deb ファイル) のうち、古くなったものを削除する。
sudo apt autoclean
- 目的: ダウンロードされたパッケージファイル (キャッシュ) のうち、古くて不要になったものを削除する
- 動作:
/var/cache/apt/archives/ディレクトリ内から、リポジトリで利用できなくなった古いバージョンのパッケージファイルを削除する
システムの再起動
カーネルやシステムの基幹ライブラリが更新された場合は、変更を反映させるために再起動が必要である。
sudo shutdown -r now
- 目的: システムを再起動し、更新内容 (特にカーネル) を有効にする
- 動作: 実行中のプロセスを終了させ、システムを再起動する
まとめ
APT コマンドを用いた Ubuntu システムの基本的なパッケージ更新手順を紹介した。update、full-upgrade、autoremove、autoclean といったコマンドを適切な順序で実行することで、システムを最新かつ安定した状態に保つことができる。システムのセキュリティと安定性を維持するため、定期的な更新作業を推奨する。