Ubuntu のデスクトップセッションの変更・追加(apt を使用)

Ubuntu 24.04 LTSでaptを使用し、標準GNOME以外のデスクトップ環境を追加できる.Lubuntu(LXQt)やXubuntu(XFCE)は軽量で低リソース環境に適し、Vanilla GNOMEは素のGNOMEを提供する.ログイン画面の歯車アイコンでセッションを選択する.ディスプレイマネージャーは`dpkg-reconfigure`で変更可能.アンインストールは`apt autoremove --purge`で行うが、共有パッケージ削除に注意が必要である.

デスクトップセッションを追加する目的

標準のデスクトップ環境(GNOME 46)以外にも、異なる操作感、リソース消費量、あるいはカスタマイズ度の低いデスクトップ環境を試すことができる.これにより、ユーザーは自身の好みやPCのスペック(特にRAM容量やCPU性能)、用途に合わせて最適な環境を選択可能となる.ログイン画面の「歯車アイコン」から、インストールしたデスクトップセッションを容易に選択できるようになる.

デスクトップ環境のインストール

事前準備: パッケージリストの更新

インストール前に、パッケージリストを最新の状態に更新することが推奨される.

# パッケージリストの情報を更新
sudo apt update

Ubuntu Desktop (標準GNOME)

Ubuntu 24.04 LTS の標準デスクトップ環境(GNOME 46)である.以前のバージョンよりパフォーマンスが改善されているが、快適な動作には4GB以上のRAMが推奨される.何らかの理由で再インストールする場合などに使用する.

sudo apt -y install ubuntu-desktop

Lubuntu Desktop (LXQt)

最も軽量な公式Ubuntuフレーバーであり、LXQtデスクトップ環境を採用している.メモリ使用量が非常に少なく(起動時約400-500MB程度)、古いハードウェアや限られたリソース(RAM 2GB程度)の環境に最適である.24.04 LTSではBluetooth管理用GUIも追加された.

sudo apt -y install lubuntu-desktop

Vanilla GNOME Desktop

Ubuntuによるカスタマイズが施されていない、素の状態に近いGNOME 46デスクトップ環境である.標準のYaruテーマではなくAdwaitaテーマを使用し、シンプルさとGNOME本来の設計思想を重視するユーザーに適している.

sudo apt -y install vanilla-gnome-desktop

Xubuntu Desktop (XFCE)

安定性と比較的軽量な動作(メモリ使用量約600MB程度)に定評のあるXFCE 4.18を採用したデスクトップ環境である.RAM 2GB程度でも動作し、Bluetoothヘッドホン接続やタッチパッドのサポート、エネルギー効率の良さも特徴とされる.ミニマルインストールオプションも利用可能である.

sudo apt -y install xubuntu-desktop

注意点

ディスプレイマネージャーについて: 複数のデスクトップ環境をインストールすると、ログイン画面を提供するディスプレイマネージャー(標準はGDM3)でセッションを選択する必要がある.デフォルトのディスプレイマネージャーをGDM3から軽量なLightDMなどに変更したい場合は、sudo dpkg-reconfigure gdm3 (またはlightdm)コマンドで設定できる.

Linux Mint 環境について: Ubuntuと同様に、Linux Mint環境へ他のデスクトップ環境を追加することは、設定の競合や依存関係の問題から予期せぬ不具合(例: テーマの一貫性が失われる)を生じさせる可能性があるため、一般的には推奨されない.

デスクトップ環境のアンインストール

インストールしたデスクトップ環境をアンインストールし、関連する設定ファイルも含めて削除したい場合は、以下のコマンドを使用する.にはアンインストールしたいパッケージ名(例: `lubuntu-desktop`, `xubuntu-desktop`)を指定する.

sudo apt autoremove --purge 

* このコマンドは依存関係にある不要なパッケージも削除するが、他のデスクトップ環境やアプリケーションと共有されているパッケージが削除され、意図しない影響が出る可能性も存在する.問題が発生した場合、sudo apt install ubuntu-desktop などで標準環境を再インストールすることも有効な対処法の一つである.