GNOME で X サーバを強制終了するキーシーケンス Control + Alt + Backspace の設定(Ubuntu 上)
Ubuntu 24.04 LTSのXorgセッションでControl+Alt+BackspaceによるXサーバ強制終了をgsettingsコマンドで有効化する方法を解説する。この機能はシステムフリーズ時の最終手段となるが、Waylandセッションでは無効であり、保存していない作業は消失する危険性があるため注意が必要である。
設定の目的と背景
本設定は、Ubuntu上でGNOMEデスクトップ環境(Xorgセッション)を使用している場合に、Control + Alt + Backspace キーでグラフィカルセッション(Xサーバ)を強制終了する機能を有効化する方法を示すものである。Xサーバとは、X Window Systemにおけるディスプレイサーバであり、グラフィカルな操作を管理する役割を担う。 この機能は、X.Orgサーバーの機能「XkbOptions」の一部であり、システムが応答しなくなった際の緊急リセット手段として長年利用されてきた。セキュリティ上の理由から、多くのディストリビューションではデフォルトで無効化されている。システムが完全にフリーズするなど、他の操作が一切不可能になった場合の最終手段として、グラフィカル環境を再起動するために利用できる。
設定方法(Ubuntu 24.04 LTS向け)
Ubuntu 24.04 LTSのGNOME環境でこのキーシーケンスを有効化するには、gsettings
コマンドを使用するのが一般的である。この設定はログインセッション間で永続化される。既存のxkb-optionsに他の設定が含まれている場合、このコマンドはその設定に'terminate:ctrl_alt_bksp'
を追加する。
gsettings set org.gnome.desktop.input-sources xkb-options "['terminate:ctrl_alt_bksp']"
上記のコマンドを実行することで、Control + Alt + Backspace キーの組み合わせで X サーバを強制終了できるようになる。設定を無効に戻したい場合は、以下のコマンドを実行する。
gsettings set org.gnome.desktop.input-sources xkb-options "[]"
注意点
- Waylandセッションでは無効: Ubuntu 24.04 LTSのデフォルトはWaylandだが、Control + Alt + Backspace による X サーバ強制終了機能は Xorg セッションでのみ有効である。利用するには、ログイン画面でセッションを「Ubuntu」(Xorg)に切り替えてログインする必要がある。
- 代替手段としての仮想コンソール: Wayland/Xorgいずれのセッションでも、システム応答が停止した場合、Ctrl+Alt+F3〜F6などで仮想コンソールに切り替え、GUIプロセスを終了させるなどの操作が可能である。通常はこちらを先に試すべきである。
- データ消失のリスク: この操作は実行中の全てのアプリケーションを強制的に終了させるため、保存していない作業内容は失われる可能性がある。システム完全無応答時の最終手段として、自己責任で使用すべきである。