GNOME での言語の設定(Ubuntu 上)
Ubuntu 24.04 LTSにおけるGNOME言語設定はCUIまたはGUIで行う。CUIでは/etc/environment, /etc/default/localeファイルを編集するか、localectlコマンドを使用する。日本語環境には追加パッケージとIME設定が別途必要である。設定反映には再ログインまたは再起動が必須である。
設定方法の選択肢:
- GNOME を英語 (en_US.UTF-8) に設定する方法
- GNOME を日本語 (ja_JP.UTF-8) に設定する方法
- GUIツールを使用する方法
日本語環境の追加インストールとIME設定
GNOMEの表示言語を日本語にする前に、システムに日本語環境がインストールされているか確認する必要がある。多くの場合、Ubuntuのインストール時に選択しない限り、追加インストールが必要となる。
日本語パッケージのインストールは、以下のコマンドで実行可能である:
sudo apt update
sudo apt -y install language-pack-ja language-pack-ja-base
sudo apt -y install language-pack-gnome-ja language-pack-gnome-ja-base task-japanese-gnome-desktop
表示言語が日本語になっても、テキストエディタなどで日本語を入力するには、入力メソッドエンジン(IME)の設定が別途必要となる。Ubuntu 24.04 LTSでは、Fcitx5とMozcの組み合わせが推奨されている。IMEの設定は、システム設定の「地域と言語」→「入力ソース」で行う。
CUIでGNOMEを英語に変えるスクリプト例 (Automated Script to change the language of GNOME to en_US.UTF-8)
システム全体のロケール設定を英語に変更するスクリプトの例である。実行には管理者権限が必要である。このスクリプトは、`/etc/environment` と `/etc/default/locale` ファイルを編集し、システム全体の言語環境を英語に設定する。設定変更後は、環境変数やロケール設定を反映させるために一度ログアウトし、再度ログインするかシステムを再起動する必要がある。
sudo cp /etc/environment /etc/environment.BAK.$$
sudo rm -f /tmp/environment.$$
echo "PATH=\"/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/sbin:/bin:/usr/games\"" > /tmp/environment.$$
echo "LANGUAGE=\"en\"" >> /tmp/environment.$$
echo "LANG=\"en_US.UTF-8\"" >> /tmp/environment.$$
echo "LC_MESSAGES=\"en_US.UTF-8\"" >> /tmp/environment.$$
echo "LC_CTYPE=\"en_US.UTF-8\"" >> /tmp/environment.$$
echo "LC_COLLATE=\"en_US.UTF-8\"" >> /tmp/environment.$$
sudo cp /tmp/environment.$$ /etc/environment
sudo cp /etc/default/locale /etc/default/locale.BAK.$$
sudo rm -f /tmp/locale.$$
echo "LANG=\"en_US.UTF-8\"" > /tmp/locale.$$
echo "LANGUAGE=\"en\"" >> /tmp/locale.$$
echo "LC_MESSAGES=\"en_US.UTF-8\"" >> /tmp/locale.$$
echo "LC_CTYPE=\"en_US.UTF-8\"" >> /tmp/locale.$$
echo "LC_COLLATE=\"en_US.UTF-8\"" >> /tmp/locale.$$
sudo cp /tmp/locale.$$ /etc/default/locale
CUIでGNOMEを日本語に変えるスクリプト例 (Automated Script to change the language of GNOME to ja_JP.UTF-8)
システム全体のロケール設定を日本語に変更するスクリプトの例である。実行には管理者権限が必要である。このスクリプトは、`/etc/environment` と `/etc/default/locale` ファイルを編集し、システム全体の言語環境を日本語に設定する。`LANGUAGE`変数に`ja_JP:en`と設定することで、日本語が利用できない場合に英語が代替として使用される。設定変更後は、環境変数やロケール設定を反映させるために一度ログアウトし、再度ログインするかシステムを再起動する必要がある。
sudo cp /etc/environment /etc/environment.BAK.$$
sudo rm -f /tmp/environment.$$
echo "PATH=\"/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/sbin:/bin:/usr/games\"" > /tmp/environment.$$
echo "LANGUAGE=\"ja_JP:en\"" >> /tmp/environment.$$
echo "LANG=\"ja_JP.UTF-8\"" >> /tmp/environment.$$
echo "LC_MESSAGES=\"ja_JP.UTF-8\"" >> /tmp/environment.$$
echo "LC_CTYPE=\"ja_JP.UTF-8\"" >> /tmp/environment.$$
echo "LC_COLLATE=\"ja_JP.UTF-8\"" >> /tmp/environment.$$
sudo cp /tmp/environment.$$ /etc/environment
sudo cp /etc/default/locale /etc/default/locale.BAK.$$
sudo rm -f /tmp/locale.$$
echo "LANG=\"ja_JP.UTF-8\"" > /tmp/locale.$$
echo "LANGUAGE=\"ja_JP:en\"" >> /tmp/locale.$$
echo "LC_MESSAGES=\"ja_JP.UTF-8\"" >> /tmp/locale.$$
echo "LC_CTYPE=\"ja_JP.UTF-8\"" >> /tmp/locale.$$
echo "LC_COLLATE=\"ja_JP.UTF-8\"" >> /tmp/locale.$$
sudo cp /tmp/locale.$$ /etc/default/locale
CUIでGNOMEを英語にしたい場合の設定手順
システム全体のロケール設定を手動で変更する手順である。実行には管理者権限が必要である。設定変更後は、環境変数やロケール設定を反映させるために一度ログアウトし、再度ログインするかシステムを再起動する必要がある。
-
/etc/environment を設定し,en_US.UTF-8 を使うようにする
/etc/environment ファイルは、システム全体のあらゆる環境変数を設定するために使用されるファイルである。PATHなどもここに含めることができる。
PATH="/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/sbin:/bin:/usr/games" LANGUAGE="en" LANG="en_US.UTF-8"
-
/etc/default/locale を設定し,en_US.UTF-8 を使うようにする
/etc/default/locale ファイルは、システム全体のデフォルトロケール設定を定義する標準的なファイルである。ロケール関連の環境変数(
LANG
,LANGUAGE
,LC_*
など)を特化して設定し、多くのアプリケーションやシステムコンポーネントがこのファイルを参照する。LC_ALL
が最も優先され、次にLANG
、その後各カテゴリ別の設定(`LC_MESSAGES`など)が参照されるという優先順位がある。LANG="en_US.UTF-8" LANGUAGE="en" LC_MESSAGES="en_US.UTF-8"
-
/etc/pam.d/gdm 等の設定変更について
Ubuntu 24.04 LTSにおいて、GNOMEの言語設定のために /etc/pam.d/gdm や /etc/pam.d/lightdm といったPAM設定ファイルを直接編集することは通常不要であり、システムの予期せぬ挙動を引き起こす可能性があるため推奨されない。一般的な設定方法としては推奨されないため、本記事では手順から省略する。
CUIでGNOMEを日本語にしたい場合の設定手順
システム全体のロケール設定を手動で変更する手順である。実行には管理者権限が必要である。設定変更後は、環境変数やロケール設定を反映させるために一度ログアウトし、再度ログインするかシステムを再起動する必要がある。
-
/etc/environment を設定し,ja_JP.UTF-8 を使うようにする
/etc/environment ファイルは、システム全体のあらゆる環境変数を設定するために使用されるファイルである。PATHなどもここに含めることができる。
PATH="/usr/local/sbin:/usr/local/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/sbin:/bin:/usr/games" LANG="ja_JP.UTF-8"
-
/etc/default/locale を設定し,ja_JP.UTF-8 を使うようにする
/etc/default/locale ファイルは、システム全体のデフォルトロケール設定を定義する標準的なファイルである。ロケール関連の環境変数(
LANG
,LANGUAGE
,LC_*
など)を特化して設定し、多くのアプリケーションやシステムコンポーネントがこのファイルを参照する。LC_ALL
が最も優先され、次にLANG
、その後各カテゴリ別の設定(`LC_MESSAGES`など)が参照されるという優先順位がある。LANG="ja_JP.UTF-8"
-
/etc/pam.d/gdm 等の設定変更について
Ubuntu 24.04 LTSにおいて、GNOMEの言語設定のために /etc/pam.d/gdm や /etc/pam.d/lightdm といったPAM設定ファイルを直接編集することは通常不要であり、システムの予期せぬ挙動を引き起こす可能性があるため推奨されない。一般的な設定方法としては推奨されないため、本記事では手順から省略する。
GUIでGNOMEの言語を設定する方法
GNOMEデスクトップ環境では、GUIツールを使用して簡単に言語設定を変更できる。これはユーザーセッションの設定に影響を与える一般的な方法である。
- アクティビティ画面を開くか、アプリケーションメニューから「設定」(Settings) アプリを起動する。
- 左側のサイドバーから「地域と言語」(Region & Language) を選択する。
- 「言語」(Language) の項目をクリックし、希望する言語を選択する。GNOME 46では設定アプリのインターフェースが改善され、より直感的に言語設定が可能になっている。
- 表示されるダイアログで、変更を適用するためにシステムから一度ログアウトするよう求められる場合がある。「再起動」(Restart) ボタンをクリックしてセッションを再起動する。(システム全体のロケールを変更する場合は、システムの再起動が必要になる場合がある。)
- ログインし直すと、GNOMEの表示言語が変更されていることを確認できる。
なお、日付、時刻、数値等の表示形式(フォーマット設定)は言語設定とは別に設定することが可能である。「設定」→「地域と言語」→「フォーマット」で変更できる。
CUIでのロケール確認とシステム設定について
現在のロケール設定は`locale`コマンドで確認できる。システムにインストールされ、使用可能なすべてのロケールは`locale -a`コマンドで確認可能である。
locale
locale -a
Ubuntu 24.04 LTSでは、ロケール設定に`localectl`コマンドを使用することが推奨されている。このコマンドは`systemd-localed`サービスと通信し、適切なシステム設定ファイル(`/etc/default/locale`など)を更新する。
例えば、システム全体のロケール設定を日本語に変更する場合、以下のコマンドを実行する:
sudo localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8
必要なロケールがシステムに生成されていない場合は、`sudo locale-gen ja_JP.UTF-8`のようなコマンドで生成できる。