Ubuntu で日本語インプット・メソッド (Fcitx5 + Mozc) を設定する

Ubuntu 24.04 LTS 環境において、推奨される日本語入力メソッドフレームワーク Fcitx5 と、そのエンジンである Mozc をインストールし、設定する手順を解説するものである。Fcitx5 は Fcitx の後継であり、より安定した日本語入力体験を提供する。

  1. 1. 日本語言語サポートのインストール

    まず、システムに日本語環境の基本的なサポートをインストールする。これにより、日本語の表示や入力に必要なパッケージが導入される。

    # パッケージリストを更新
sudo apt update
# 言語選択ツールと依存関係をインストール
sudo apt -y install language-selector-common
# 推奨される日本語関連パッケージをインストール
sudo apt -y install $(check-language-support)
  2. 2. Fcitx5 と Mozc のインストール

    次に、インプットメソッドフレームワーク Fcitx5、日本語入力エンジン Mozc、および設定ツールをインストールする。

    # パッケージリストを再度更新 (念のため)
sudo apt update
# Fcitx5本体、Mozcエンジン、設定ツールをインストール
sudo apt -y install fcitx5 fcitx5-mozc fcitx5-configtool
  3. 3. インプットメソッドフレームワークの切り替え

    システム全体で使用するインプットメソッドフレームワークとして Fcitx5 を選択する。im-config コマンドを使用する。

    # 次回のログインセッションから Fcitx5 を使用するように設定
im-config -n fcitx5
  4. 4. システムの再起動 または 再ログイン

    インプットメソッドフレームワークの設定をシステム全体に反映させるため、一度システムを再起動するか、現在のセッションからログアウトして再ログインする。

    # システムを再起動する場合
sudo shutdown -r now
  5. 5. Fcitx5 の設定確認と調整

    再起動または再ログイン後、Fcitx5 が正しく設定されているか確認し、必要に応じて調整する。

    1. 設定ツールの起動:

      以下のコマンドを実行するか、デスクトップ環境のアプリケーションメニューから「Fcitx5 設定」 (Fcitx5 Configuration) を検索して起動する。

      # Fcitx5 設定ツールを起動
fcitx5-configtool
    2. 入力メソッドの確認:

      設定画面の「入力メソッド」タブ（またはそれに類するセクション）を開く。利用可能な入力メソッドの一覧に「Mozc」が含まれていることを確認する。含まれていない場合は追加し、必要に応じて順序を調整する（通常はキーボードレイアウトの下に Mozc を配置する）。不要な入力メソッドがあれば、選択して削除することも可能である。

    3. 不要な入力メソッドの削除 (任意):

      もし ibus などの他のインプットメソッドが不要であり、かつ Fcitx5 が正常に動作していることを確認できた場合、削除することができる。ただし、これは必須ではない。

      # 現在設定されているIMフレームワークを確認 (fcitx5と表示されるはずである)
im-config -l
# 不要なibus関連パッケージを削除する場合 (例) - 実行は慎重に行うこと
# sudo apt remove -y ibus ibus-mozc ibus-table ibus-gtk ibus-gtk3

      im-config -l の実行例:

      注意: ibus パッケージ群の削除は、システム構成によっては他の機能に影響する可能性があるため、慎重に行うこと。削除前に apt show などで依存関係を確認すると良い。

      apt remove の実行例 (イメージ):

  6. 6. 日本語入力の確認

    テキストエディタなどを開き、Ctrl + Space キー (または Fcitx5 設定で指定した他のキー) を押して日本語入力モード (Mozc) に切り替わること、および日本語が正しく入力・変換できることを確認する。