KIRI Engine 3DGS Render 3.0 インストール・利用ガイド
1. システム要件と前提条件
対応環境
- Blenderバージョン: Blender 4.2以上が必須である(それ以前のバージョンでは動作しない)
- ファイル形式: 3DGS PLYファイルのみ対応である(非3DGSのPLYファイルはエラーとなる)
- Mesh-2-3DGS機能: Windows専用であり、特定のファイル/フォルダ構造が必要である
- ビュー制限: 直交ビューでは面の更新が不可能である(警告が表示される)
2. インストール手順
アドオンの入手
以下のいずれかの方法でアドオンのZIPファイルを入手することができる:
- 公式GitHubから「3dgs_render_by_kiri_engine_バージョン番号.zip」をダウンロードする
- Blender Marketから無料でダウンロードする
Blenderへのインストール
- ダウンロードしたZIPファイルをファイルブラウザからBlenderの3Dビューポートへドラッグ&ドロップする
- 表示される確認ウィンドウで「OK」をクリックする
3. 基本的な使用方法
3DGSファイルのインポート
- Blenderを起動し、「Eevee」レンダーエンジンを有効にする
- 3DビューポートでNキーを押してサイドパネルを表示し、KIRIエンジンのタブを開く
- 「Active Menu」から「3DGS」を選択する
- 「Import」メニューを選択する
- 「Import PLY as Splats」をクリックする
- UV設定に関する警告が表示されたら「OK」をクリックする
- 3DGS形式の.PLYファイルを選択して「Import PLY as Splats」をクリックする
- インポート処理が完了するまで待機する(大きなファイルの場合、時間がかかることがある)
オブジェクトの操作と表示設定
- インポート後、「Camera Updates」は無効になっている
- 作業効率向上のために「Active 3DGS Object」メニューから「Show as Point Cloud」を選択すると便利な場合がある
- オブジェクトの回転・移動・スケールを調整して良い位置に配置する
作業においては、オブジェクトの移動やカメラのアニメーション設定時に「Point Cloud表示」を使用すると便利な場合がある
カメラの設定
- シーンにカメラを追加し、スキャンの一部が見える位置に配置する
- 3DGSオブジェクトを選択した状態で「Active Menu」を「3DGS」に設定し、「Modifiers」メニューを開く
- 「Camera Cull Modifier」を追加する(デフォルト以外のカメラ設定を使用している場合は「Auto Set Up」ボタンを使用する)
- カメラの前にあるフローティングスプラットアーティファクトを「Camera Cull」モディファイアの「Closer Than」距離を調整して除去する
- カメラビューに切り替え、ビューをカメラにロックする
- カメラを自由に移動・アニメーション設定できるようになる
レンダリング準備と実行
- シーンの準備が整ったら、3DGSオブジェクトを選択し「Enable Camera Updates」を有効にする
- 「Use Active Camera」をオンにして、カメラ移動に合わせて面が常に更新されるようにする
- アニメーションを再生して必要な編集を行う
- 「HQ / LQ」メニューでスキャンのマテリアルを「HQ」に切り替える(レンダリング結果に近くなる)
- HQモードでは、ビューポートとレンダリングのサンプル数を1に設定すると高速化できる
- 1フレームをレンダリングして設定を確認する(F12キー)
- 結果に満足したら、アニメーション全体をレンダリングする
4. 高度な機能と最適化
パフォーマンス向上のテクニック
- カメラカリングモディファイアを使用してレンダリングパフォーマンスを改善する
- 作業時はLQモード(低品質モード)、レンダリングにはHQモード(高品質モード)を使用する
- 複雑なシーン設定前に断片的なオブジェクト編集から始める
- 面数削減のためのモディファイア(デシメートなど)を積極的に利用する
- パフォーマンス注意点:面の更新はリソース負荷が高い(特に連続更新時)
アニメーションレンダリング
- アニメーションレンダリングには「Render Animation」機能を使用する
- 途中でキャンセルが必要な場合はBlenderの強制終了が必要となるため注意する
- 最終レンダリングには「HQモード」(ブレンドアルファ材質)を使用することを推奨する
- HQモード使用時は,サンプル数 1 の設定を推奨する(レンダリング高速化のため)
5. 制限事項と注意点
既知の制約事項
- 直交ビューでは面の更新ができない(警告が表示される)
- ビュー制限を回避するに、必ず透視ビュー(Perspective View)を使用する
- 互換性:旧バージョンのアドオンでインポートした3DGSオブジェクトは新バージョンで正確に動作しない場合がある
推奨される使用法
- 作業時はLQモード、レンダリングにはHQモードを使用する
- オブジェクトの移動やカメラのアニメーション設定時は「Point Cloud表示」を推奨する
- 大きな3DGSファイルをインポートする場合は、パフォーマンス向上のために「Show as Point Cloud」モードで作業する
- 編集の際には「Camera Cull」モディファイアを活用する
6. サンプル3DGSファイルの入手
- KIRI Engine公式アプリから無料の3DGSスキャンをダウンロードすることができる
- KIRI Engineアプリのホームページで無料の3DGSスキャンが提供されている
- 公式のHigh Fidelity 3DGSショーケースで高品質な3DGSサンプルを確認することができる
詳細な操作や高度な機能については、公式ドキュメントを参照。